「KAVCシネマ」3月末で26年の歩みに幕 改修工事でシアター機能なくす 神戸・新開地

KAVCは1996年に開館。シアターのほか、1階に美術ギャラリー、2階に演劇ホールを備え、2017年度から神戸市民文化振興財団が指定管理者として運営する。シアターでは月に2週間、新作や名作の特集上映を行ってきた。
市は一般の利用向上のため、有識者らによる検討会を昨年4月から6回開催。1階に地域住民や子どもの集いの場を設け、ギャラリーを地階に移すことを決めた。映画事業は、開館後にミニシアターが周辺にできたことから、「公の施設としての役割は終えた」と判断したという。イベントや貸館での上映にはホールを活用するとしている。
工事は今秋からの予定だが、映写技師らスタッフを半年のみ契約確保するのは難しく、21年度内の終了を決定。KAVCは「長年のファンもおり、続けられるものなら続けたかった」と苦渋をにじませ、館内に過去の上映作品のポスターを張り出している。
市は来春の再オープンに当たり、施設名の変更なども検討しており、条例改正案を6月議会に提案する方針。(田中真治)