名護屋に秀吉「黄金の茶室」再び 中で抹茶体験も 佐賀

秀吉の文禄・慶長の役(1592~98年)では、朝鮮半島への渡海拠点となった名護屋城に150家を超える大名や武将が集結、周辺に陣屋を構えた。同博物館によると、1586年に京都で初めて使われた黄金の茶室は同城に運ばれ、大名衆との茶会などで4回使われたという。
県は名護屋城博や城跡を「本物の歴史体験ができる文化観光の拠点」と位置づけ、史料に基づき制作費約3600万円で茶室(幅約3メートル、奥行き約3メートル、高さ約2メートル)を復元。表に深紅の毛織物を用いた畳3枚を敷き、天井やふすまなどの内外装と備品の茶道具には109ミリ四方の金箔(きんぱく)約1万6500枚が張られている。
先行例のMOA美術館(静岡県熱海市)や大阪城天守閣とは異なり、「中で抹茶もいただけるのは国内唯一。空間に浸り、秀吉を含め当時中でお茶を飲んだ人たちの体験を追体験してほしい」(安永浩学芸員)とPR。一般公開初日、県は城跡を中心にイベント「大茶会」を開く。午後2時▽3時▽4時――に黄金の茶室で抹茶を楽しむ各回2人1組を会場で午後1時まで募る。【峰下喜之】