内藤國雄九段「人生は運」 将棋の世界へといざなった少年時代の不思議な出合い 2022-12-31 私が初めて読んだ本は「ロビンソン・クルーソー漂流記」だった。9歳の誕生日に兄からもらったもので、粗末な紙に活字がびっしり詰まっていた。日本は敗戦直後で家にはテレビも電話もなく、経済的にどん底の時代だった。“縁台将棋”が盛んで、街では観戦の人も多く、おじさんたちは将棋好きの人が多いんやなあ、と子供心に思った。あの時から自分も将棋に熱中していれば良かったなあ、と思うことも。