ぐるりと拝める国宝十一面観音菩薩立像 奈良・聖林寺の観音堂改修

観音堂は1959年に建てられたが築60年が過ぎており、老朽化が進んでいた。改修工事は2021年5月に始まり、22年5月末に完了。総工費は約1億7000万円で、3回にわたるクラウドファンディングなどによる寄付額は約1億2600万円に上ったという。
◇2.5倍の広さに
新たな観音堂は延べ床面積約91平方メートル。収蔵庫や前室などが設置され、改修前の約2・5倍の広さになった。内装は吉野杉を使用。カビ防止などのため湿度約60%、温度約24度に保ち、収蔵環境を向上させた。十一面観音は免震装置付きのガラスケースに安置され、360度から拝観が可能だ。
倉本明佳住職は「多くの方々のお陰で無事に改修を終えることができた。たくさんの人に参拝していただきたい」と話した。拝観料は一般600円、小学生300円。問い合わせは聖林寺(0744・43・0005)。【広瀬晃子】