作品焦げても「悪くねーな」今も鮮烈な砂澤ビッキの生き様 2022-10-25 「自然は作品に風雪という名の鑿(のみ)を加えていく」。作品の行く末を自然に委ねようと、こんな言葉を残した現代彫刻家の砂澤ビッキ(1931~89)。朽ちていく屋外作品を保存すべきか論争を呼び、晩年の10年を過ごした北海道音威子府(おといねっぷ)村では倒れたトーテムポールが土に返ろうとしている。己の作品が消えることを厭(いと)わない芸術家とは――。村での創作に寄り添った砂澤ビッキ記念館(正式名称はエコミュージアムおさしまセンター)名誉館長の河上實さん(84)に尋ねると、自然だけでなく、何もかもをあるがまま受け入れる生き様が見えてきた。