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東大教授が太鼓判を押す、中世武士の愛すべき「デタラメ」
2022-10-30
東大教授が太鼓判を押す、中世武士の愛すべき「デタラメ」

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『歴史学者という病』――そんな題名だけ聞くと、さぞかし怖い本のように思うかもしれない。しかし、実際に読んでもらえればわかるが、この本は歴史学者・本郷和人の人生を本人が語りながら、生きていくことの辛さや不可解さ、そして、面白さや可能性などについても触れている。そこで特別企画として、この本にはあまり収録できなかった話を中心に「人生相談」風にまとめてみた。題して「人生の難問は歴史学者に聞け。本郷和人のルサンチマン人生相談」です! 
第十回は、「武士の規律に学べばきちんとした人間になれるか?」です。
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 自分で言うのも恥ずかしいのですが、私はいい加減で、根気が続かず、つまらないと思った仕事はすぐに飽きてしまいます。先日、苦手なオッサン上司から「滅私奉公が当たり前だった武士を少しは見習え」などと怒られてしまいました。武士の規律に学べば、私もきっちりした人間になれるでしょうか。
 前提が間違っているようだ。

 一般社会における武士のイメージというのは、厳めしい、生真面目、上下関係のきっちりした超体育会系……といったものらしい。

 おそらく相談者さんの上司の方も、同じように、武士に対して強く勤勉で組織に忠実なイメージを持っておられるからこそ、相談者さんにそのようなアドバイスをしたのだろう。

 と・こ・ろ・が・である。
中世の武士に限っていえば、彼らは真面目のお堅い一辺倒どころか、だいぶデタラメな存在だったのだということを、私は大学に入ってから思い知った。

 話は私の大学時代の初期に巻き戻る。
桑山浩然先生という方の中世史学に関するゼミに出席した私は、それまでの価値観をガラリと転換させられてしまった。

 私が在学していた当時は、中世日本といえば、「天皇を頂点として一つにまとまっていた」と捉える、がっちりとした枠組みを前提とした黒田俊雄先生の学説「権門体制論」に沿う考え方が主流であった。

 だから当然そうなのだろう、と思い込んでいたのだが、桑山先生は、権門体制論についてざっと説明したあとで「中世日本には、そもそも枠組みなど存在しなかったのでは?」という大胆な着想を学生に披露し、そして、ごく自然な様子で問いかけた。

 「じゃあ、君たちはどう思う?」と。

 これにはびっくりしてしまった。

 先生いわく、「国家」という枠組みは自明のように存在したわけではない、中世は社会も混沌としていい加減だった、さまざまな痛みを伴いながら人びとが少しずつ「国家」という組織を作り上げたのではないか……などなど、目からウロコの考え方が飛び出してきた。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/1cbeef393f68ada2c63231b656c18a11bd1e110b

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