ヴォーリズ建築「後世に」 滋賀県、近江八幡市、関学大が協定

ヴォーリズは近江八幡市を拠点に、建築設計のほか近江兄弟社創業など、さまざまな分野で活躍した。関学大初代学長となるカナダ人宣教師ベーツ(1877~1963年)はヴォーリズと親交があり、1929年に開設された西宮上ケ原キャンパスの設計をヴォーリズに依頼したという。
関学大は今年1月、建築学部(神戸三田キャンパス)に「ヴォーリズ研究センター」を新設。これに合わせ、ヴォーリズゆかりの滋賀県、近江八幡市との協定を結ぶことになった。
県公館であった協定締結式で関学大の村田治学長は「研究センターではヴォーリズの建築だけではなく、思想や文化も研究していく。協定により近江八幡市、滋賀県でいろんな研究・教育が展開できる」と期待感を示した。
三日月大造知事は「関学大生にフィールドワークの場として近江八幡市、滋賀県を活用していただき、それが地域とつながり、新たな知恵を見いだしていければと思う」と述べた。近江八幡市の小西理市長は「協力してヴォーリズを顕彰し、後世に偉業を伝え、新しい文化や地域の創造につながることを願う。学生のフレッシュな考え方や発想、近江八幡の歴史的な街、そしてヴォーリズが伝えてきた文化の化学変化に期待している」と話した。
関学大などを運営する学校法人関西学院は2019年、ヴォーリズ学園や一粒社ヴォーリズ建築事務所など近江兄弟社6法人と包括連携協定を結んでいる。関学大のヴォーリズ研究センターは、ヴォーリズ建築資料のデジタルアーカイブ化などを進めていく。【庭田学】