沖縄「慰霊の日」 平和の誓い新た 3年ぶり首相も

首相の出席は3年ぶり。令和2、3年の式典は新型コロナウイルス禍で規模が大幅に縮小され、当時の安倍晋三、菅義偉両首相はビデオメッセージを寄せていた。
式典では戦没者らに黙禱をささげた後、玉城デニー知事が平和宣言で「沖縄戦の教訓を次の世代に正しく伝えていくことは私たちの大切な使命」と強調。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題にも触れ、国に対し移設断念を改めて求めた。
岸田首相は「基地負担の軽減に全力で取り組み、目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げていく」などと述べた。
このほか、県内の児童生徒を代表して沖縄市立山内小2年の徳元穂菜(ほのな)さん(7)が詩を朗読し、平和をつなぐ決意を示した。
式典の参列者は県内の遺族代表ら327人。新型コロナ禍以前は約5千人が参列していたが、昨年に続き招待者以外の一般の参列は見送られた。
式典後、岸田首相は記者団に「沖縄の方々が経験された苦難を改めて心に刻んだ。沖縄の発展に全力を尽くす」などと述べた。
沖縄戦では、米軍が那覇市の西沖、慶良間(けらま)諸島に上陸した昭和20年3月26日から、牛島満第32軍司令官の自決で組織的戦闘が終結した同年6月23日までに、日米あわせて20万人以上が戦死した。
平和祈念公園内の石碑「平和の礎(いしじ)」には、6月23日以降も含めすべての戦没者の氏名が敵味方の区別なく刻まれており、今年は55人追加されて総数24万1686人となった。