「全国のファンが見たい作品」平田オリザさん監修 9月に豊岡演劇祭

主催は豊岡市、養父市、但馬県民局などでつくる豊岡演劇祭実行委員会。19年に第0回を開催後、コロナ禍のため、20年は規模を縮小し、21年は緊急事態宣言を受けて中止になった。22年は県に緊急事態宣言などが発令された場合は中止や無観客上演、一部上演の延期などの可能性があるとしている。
◇国内外から9団体10演目
国内外から招待したディレクターズプログラムは9団体10演目。舞踏集団・山海塾が世界各地で公演してきた「降りくるもののなかで―とばり」、世界的な舞踏家の岩下徹さんと音楽家の梅津和時さんによる即興公演、新たなエピソードを加えて自治体合併を描いた市民参加型の「新・豊岡かよっ!」、劇団あはひの「光環(コロナ)」などをラインアップ。オペラ「蝶々(ちょうちょう)婦人」を原案に、城崎国際アートセンター芸術監督の劇作家、市原佐都子さんとスイスの劇場が共同制作した「Madama Butterfly」(日本語字幕付き)は、人種やジェンダー(社会的性別)に対する先入観を問い直す。
平田さんの作・演出で劇団・青年団による演目では、養父市立やぶ市民交流広場と豊岡市民会館で、鶴屋南北戯曲賞受賞のコミカルな「日本文学盛衰史」(高橋源一郎さん原作)、香美町の香住区中央公民館で「銀河鉄道の夜」が予定されている。
◇各地で関連イベントも
観光やまちづくりと連動した企画として、農村舞台を巡回する京都の劇団・烏丸ストロークロックの「但東さいさい」、JR山陰線の駅に仕掛けを施したスイッチ総研による寸劇、城崎温泉の旅館などでの名作のリーディング演目もある。
フリンジと呼ばれる公募型の自主参加プログラム約60件は竹野浜海水浴場や神鍋高原のほか、神社や大学、市街地などで繰り広げられる。
6月23日に記者会見した豊岡ツーリズム協議会長で実行委会長の高宮浩之さんは「地元の方々と作り上げている作品もある。『ここから、はじまる。』というテーマに期待を込めている」と強調。平田さんは「観光などの産業と連携して地域とつながる演劇祭を目指す。豊岡、但馬の経済に寄与できればと思う」と話した。集客目標は延べ1万人。
チケットは28日から但馬地域在住、在勤、在学者向けに先行発売。全国発売は8月4日正午。25歳以下、障害者は割引がある。高校生以下無料。取り扱いは豊岡市大手町のフェスティバルセンター(050・5527・7241)の窓口、電話と、豊岡演劇祭サイト(https://toyooka-theaterfestival.jp/)で。【浜本年弘】