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特撮美術に見るメディア芸術の歴史と未来。「井上泰幸展」担当学芸員・森山朋絵が語る
2022-05-20
特撮美術に見るメディア芸術の歴史と未来。「井上泰幸展」担当学芸員・森山朋絵が語る

 日本の特撮史、そしてメディア芸術史においても、2022年はある意味「シンギュラー・ポイント」になるだろう。円谷英二監督を支え、多くの特撮作品に魂を与えた「実装」の人──
井上泰幸の仕事を「作家個展」として呈示できた
いま、これまで何度も目にした「ある領域が自らの領域を超える」瞬間を思わずにはいられない。1980年代末から、公立の美術館展示では主流として扱われてこなかった領域(例えばアート&テクノロジー、コンピュータによる芸術、動画に限らない新旧の映像メディアや映像装置、広義のアニメーション、3Dやステレオグラフィー、数理・物理学的な宇宙や深海、知覚の拡大と縮小、人工現実感や人間拡張工学、超高精細画像や時間軸、バイオテクノロジー、人工生命や人工知能など)が表現と結びつくさまを繰り返し企画し展示するうちに、それらは徐々に名を変え、コンフリクトや不寛容を乗り越え、義務教育に盛り込まれ、災害や疫病禍を経て、いつしか自然な表現プラットフォームとなった。そしていま我々は、変わりゆく特撮領域のクロニクルを目撃している。草創期の優れたつくり手である井上泰幸は、アイデア外在化のためのメタ認知的視点をいかに持ち得たのだろうか。


 かつて我々が井上作品を展示した「館長 庵野秀明
特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」展(東京都現代美術館、2012年、以降全国巡回)もまた、同様にひとつの「特異点」であり、スタジオジブリ、日本テレビ放送網、東京都現代美術館の10年にわたる連携の最後を飾る大規模展であった。映画『巨神兵東京に現わる』の撮影現場には日本中から特撮ミニチュアセットの家々が集められ、「バーチャル観客8000人の記者会見」(六本木ニコファーレ)では庵野秀明、樋口真嗣、鈴木敏夫らが金屏風の前に揃ってマイティジャック号を披露した。設営中も館長・庵野秀明が展示室をのぞき、副館長・樋口真嗣がイラストマップを手がけ、尾上克郎、三池敏夫、原口智生、西村祐次ら、数えきれない関係者の貢献・機関の協力で奇跡の展示が成立した。動員20万人に達すると初代ウルトラマンが展示室に登場し、映画の巨神兵が破壊した東京の巨大ミニチュアセットのなかを闊歩した。やがて来場者は約30万人にのぼり、そこに展示された夥しい特撮の夢が──ゴジラやキングギドラや妖星ゴラス本体が役割を終え帰っていくまで、特撮愛に支えられた祝祭的な3ヶ月を皆が共有した。東日本大震災から1年あまり、まだ文化的にはやや鎮静化した社会のなかで、特撮メイキング映像を見て歓声を上げる来館者の笑顔は、保存が危惧されていたミニチュア特撮領域のみならず、我々の心にも希望を灯すかのようだった。



 ちょうど10年前、「特撮博物館」展図録の論考に「この博物館は、特撮とそれを取り巻くすべてを愛する人々に捧げられている。その羽化を待ち続けるうちに、先駆者たちは次々と鬼籍の人となりつつある」と記した。同展には特撮映画のイメージの源を現在に伝える井上の貴重なデザイン画やセットデザインを陳列したが、前述の通り、同展参加後に川北紘一が逝去し、惜しくも会期を前に他界した井上泰幸その人を、展示室に迎えることは叶わなかった。昭和30年代の西九州/北九州の子供なら皆が知っている怪獣映画『空の大怪獣ラドン』の作中で、東洋一のアーチ橋「西海橋」や天神の「岩田屋デパート」が完膚なきまでに破壊される。精巧に再現され、現実と見分けがつかない商店街や見慣れた駅前風景の崩壊を前に、幼い我々はただギャン泣きするしかない──峻厳な目と精緻な手わざでそれを造ったのは誰なのか。『ゴジラ対ヘドラ』50周年にあたる2021年を経て、井上の没後10年に向けてふたたび、翌22年に開幕する東京都現代美術館の井上展準備に携われたのは望外の喜びだった。


 「イメージにかたちを与える『実装』の尊さ──それが伝わる作家展に」と我々は願い、特撮美術監督の仕事に特化した公立美術館初の作家展を、第二次世界大戦を超えて生きたひとりの「つくり手」の個展として成立させようとした。展示や図録(キネマ旬報社)の年譜には、特撮と井上の人生の流れに同時代の社会や芸術領域を加え、対比を図った。「テクノロジーを戦争でなく創造に使える」という喜びを体現するような井上の歩みは、同時代の前衛作家たちとも遠くない。北代省三や山口勝弘らによる「実験工房」は、映画にも共通する先駆的な「総合芸術」を目指したが、山口が松本俊夫と手がけた特撮映画『わたしはナイロン』や、同じく2人が円谷英二と協働した特撮映画『銀輪』もまた、円谷・井上の最後の協働となった大阪万博の三菱未来館や、バウハウスの作家モホイ・ナジ=ラースローが手がけたH.G.ウェルズの映画『来るべき世界』の特撮セットに通底するものがある。いっぽうで「人工現実感による特撮」ともいえるメタバースも、いまや珍しくはない。我々の知る「現代の芸術」とはかけ離れた異質な存在・流れとしてのみ「特撮」をとらえていた時代は、もう終わっている。


 今回は展示監修(三池敏夫/遺族代表・東郷登代美)に加え、背景画(島倉二千六)、ロゴデザイン・図録装丁(樋口真嗣)など、この上ないメンバーが再結集した。樋口によるポスターでは、方眼紙を地に、岩田屋のスケッチが実写へと変容する。井上の人生をたどり、反時計回りに空間を巡る順路を設定した。500点を超える額装と展示台の資料が充満した、生い立ちと青春時代/円谷英二との協働/独立後の活躍の展示を抜けると、佐世保市個展で披露された岩田屋ビル本体に西鉄福岡的周辺を拡張付加した、巨大な「岩田屋再現ミニチュアセット」(監修=三池敏夫、制作=マーブリングファインアーツ、背景画=島倉二千六)がアトリウムの大空間に現れる。それは井上らが心血を注いだ特撮現場をCCDカメラによる細部から体感する空間であり、かつて青空のホリゾントを背に『巨神兵東京に現わる』の巨大都市模型が屹立した記念碑的空間でもあった。外庭を望むガラス壁に、晩年の手帖にある彼の言葉を切り文字で浮かべて「結」とした。いわく「孤独に強いこと。自分自身との戦いになる」「我々は、物を造ることと、完成させるのが仕事であるから、議論のための議論はあってはならぬ」「集中力を身につけること。短時間での決断が必要」「映画の美術とは、原作品の心をつかみとること」。これらの言葉には、表舞台で目立たずとも特撮に魂を込めた「実装」の人、井上泰幸の「芸術哲学」が端的に表されている。それは多様な表現のつくり手/見せ手として従事する我々にも、非常に今日的な箴言として響く。


 佐世保海兵団を経て揚子江で負傷し、左足を失っての帰国後も、井上の人生にはいつも、忘れえぬ人々(宮崎音松、山脇巌・道子、円谷英二、そして井上玲子)との邂逅があった。神奈川県立近代美術館や世田谷美術館に収蔵のある金属彫刻家の妻・玲子は『ゴジラ』(1984)に大型彫刻を提供し、つねに井上を支えた。円谷英二との信頼関係は言うまでもない。特筆すべきは、建築家B.タウトに師事した宮崎音松から学んだ家具製作、同じくタウトと接点を持ち同じ九州人としても近しかったバウホイスラー山脇巌・道子夫妻との交流、さらに日大芸術学部で巌に学び、ドイツ建築やバウハウスの薫陶を得たことである。今回初公開した大学時代のノートや様々なる意匠を描いた精密なスケッチ、哲学や芸術学、造園のノートに残る図解は、井上が後年、建築的かつ峻厳な目でミニチュアセットを構築したことの端緒にあたる。会場のインタビュー映像からは、山脇巌から教わった「網膜透視図」──1点透視と違って自由に動き、柔らかくひとの眼に近い「ものの見かた」が「映画界に入ったときのものを見る基準になっていますから」と語る井上自身の声が聞こえる。井上のいう「世のなかにないものをつくれ」「一切型にはめない」という山脇の教えが、井上考案の独自フォーマット「井上式セット設計」を用いて、作品や空間全体を超俯瞰的なメタ視点でとらえ可視化した偉業の源流となったのである。


 展示にあたり、井上の仕事に突出した3つの要素(つねならぬ執念で追及したロケハンへの注力/予算も含め制作情報を可視化した「井上式セット設計」/メタ的視点により職域を超えて作品にコミットした点)に加え、特撮映画制作の流れが一般に伝わるよう、台本から完成までのプロセスをモジュール化した。作品資料の調査は文化庁メディア芸術アーカイブ推進支援事業に採択され、初公開資料や新発見が明らかになった。のべ20名以上の「井上泰幸アーカイブチーム」が50日以上を費やし、『ゴジラ』から最晩年作品まで、約80カテゴリ約3000点の分類・採寸・撮影・デジタルスキャンを行った。幸いだったのは、特撮に明るい20代の人材がこの作業を推進したことである。彼らは井上の上司であった渡辺明がカラーで撮影した貴重なメイキング風景に驚き、初代『ゴジラ』に井上が深く携わった証左のスケッチ、円谷英二直筆の指示書、裏紙に残る光学作画(ゴジラの背びれなど)の新発見に立ち会い、アーカイブ調査による発掘の機運を高めた。資料の保存と分析は今後も調査継続すべきであり、民藝や、視覚芸術に限らない同時代の他分野とのシナジー考察・研究もあるいは成立すると思われる。

 かつて、映画『アベンジャーズ』の監督J.ウェドンが「特撮博物館」展に来場し、また『2001年宇宙の旅』のVFXで知られる故R.エイブルらがACM
SIGGRAPH
2001年大会で登壇した際にも、彼らが日本のミニチュア特撮への敬意を語るのを目にした。井上が「セットの空気感を描くようにしています」と語ったように「空気感・重さの表現が違う」とのコメントは「特撮博物館」の現場でも関係者から出ていた。現在、特撮とCGとが二項対立でなく補完しあうハイブリッド化は普及したように見える。ここ10年の特撮領域の歩みは──アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)の設立、須賀川特撮アーカイブセンターの開館、前出の文化庁による支援事業、充実の「庵野秀明展」や「円谷英二展」の開催巡回に至るまで、じつに確固たるものだった。ある領域の真価が理解され文化芸術として位置づけられる瞬間を、我々はリアルタイムに目撃したのである。また、ゴジラが放射能を、ヘドラが公害を象徴するならば、若き井上が注力したラドンはなぜ九州の街に襲来し破壊するのか、何のメタファーなのかを考えねばならない。寺田寅彦や金田一春彦は「日本語」の持つ天災にまつわる語彙の豊かさを示唆したが、特撮領域においても実相寺昭雄が本多猪四郎の言葉を引用しつつ「自然災害」と特撮の関係に触れている。


 我々はまだ、活況を見せるデジタルツインやNFTやメタバースに満足できていない。いっぽうで、CERNや国内外の工学科学系研究機関が芸術プロジェクトを開始し、かつて井上が海の青/宇宙の青で描いた特撮の夢が現実になりつつある。多次元宇宙への興味が高まり、令和以降の映像・空間表現はどんどん五感の共有へと向かう。


 井上展の最後に、円谷英二と井上泰幸が組んだ最後の映画『日本海大海戦』の戦艦三笠を、須賀川特撮アーカイブセンターにある大型模型の3Dデータ投影として没入型で展示した。いまや実物がなくとも超高精細データが空間を創造し、我々は時を超えてそのデータを可視化共有する。いつか映像表現はリアルを超え、人の持つイマジネーションを突破するだろうか。かつて井上が探究した試みの延長線上に、その答えはある。特撮を含むメディア芸術領域においては、多くの場合「展覧会エンジニアリング」という実装なくして展示は実現しない。展覧会タイトル命名やファンドレイズも含め「実装」はほかの学芸員に任せ、企画のみに従事する「キュレーター」もまま世に存在するが、ことメディア芸術においては、企画し評論する側も、どれだけ作品成立のための実装を追体験できるかが肝要なのである。井上泰幸が信念とした「実装の尊さ」を、忘れてはならない。

 (文中敬称略/本稿は「生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展」図録〈キネマ旬報社刊〉のテキストから起こして加筆更新した)

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/93ffe23c130901a7cd5c84b861e967c912184bb5

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