• オンラインツール
  • - 計算機
    • 文字数カウント
  • - ダウンロード
    • TikTok ダウンロード
    • Douyin ダウンロード
  • - Webツール
    • BASE64
    • Base64→画像
    • 画像→Base64
    • URLエンコード
    • JavaScript
    • タイムスタンプ
    • ユニコード変換
    • JSON整形
    • 拡張子変更
    • リスト作成
    • CSS最適化
  • - 暗号化ツール
    • MD5暗号化
    • ランダムジェネレーター
  • - 画像ツール
    • 画像圧縮
    • QRコードジェネレーター
    • QRコードリーダー
    • 壁紙プレビュー
  • - 情報シート
    • 血液型遺伝
    • 服のサイズ
  • [email protected]
DopuBox
  • English
  • Español
  • Français
  • 日本語
  • 한국어
  • 简体中文
  • 繁體中文
全部 ニュース Meta Code 文化・アート
『お白洲から見る江戸時代――「身分の上下」はどう可視化されたか』尾脇秀和著 評者:八鍬友広【新刊この一冊】
2022-10-30
『お白洲から見る江戸時代――「身分の上下」はどう可視化されたか』尾脇秀和著 評者:八鍬友広【新刊この一冊】

 コロナ禍によって、世の中からなくなったものがいろいろとある。そのなかには、おそらくこのままなくなっていくものもあれば、一時的になくなっているにすぎないものもあるだろう。「ハンコ社会」とまで言われた日本だったが、脱ハンコの趨勢は止まらないのではないだろうか。では、会社や役所など、勤め先で開催される宴会は、どうだろうか。これもまたなくなってしまうのだろうか。あるいはコロナ禍が収束すれば、なにごともなかったように復活するのだろうか。

 宴会と言えば付き物なのが、「上座・下座」問題である。自分がどのあたりに座るべきなのか、迷ったことのある人も少なくないだろう。宴会だけではない。会議室や応接室、タクシーの座席にいたるまで、上座・下座の順番を知らなければ、社会人失格とまで言われかねない。上座・下座識別能力は、日本社会で生きていくうえできわめて重要なのである。コロナ禍が終われば、宴会とともにこれもまた復活するのだろうか。

 自分の座るべき場所にここまでこだわる日本人の習俗を考えるうえで、本書は大変示唆に富んでいる。本書に描き出されているのが、江戸時代に「お白洲」に出廷した者を、どの場所に座らせるかという問題だからである。

 お白洲とは、江戸時代の「お裁き」の場であり、今日風に言えば法廷のことである。時代劇でもお馴染みであろう。そうではあるが、著者によれば、時代劇のそれは実際のお白洲とはかなり異なるようだ。

 お白洲の最大の特徴は、その場所が段状に構成されていることである。一番下段には、砂利の敷かれた庭先のような空間がある。お白洲と呼ばれる所以である。それに対面して一番上段に、お裁きに立ち会う奉行(ぶぎょう)の座る座敷がある。これら最下段と最上段の中間に、細長い上下2段の縁側が配置されている。上段には薄縁(うすべり)畳が敷かれ、下段は板敷きのままである。

 お白洲の役人たちを悩ませたのは、出廷者をこれらのうち、どの段に座らせるべきかということであった。これが案外難問であった。百姓・町人などの庶民は砂利で、武士・僧侶・神職ならば、その上の縁側のうちどちらかに座らせるのが基本となる。しかし一口に武士と言っても、侍・徒士(かち)・足軽・中間(ちゅうげん)の4種類があり、藩によっても位置づけが異なる。直接の家臣ではなく、その家臣の家来の場合にはどうなるのか。かつては町人であったが、いまは武士をしている場合はどうするのか。パターンは無数にあった。

 本書は、幕府が先例や仕来(しきた)りを徹底的に重視しながら、いかにこの「お白洲座席」問題に対応してきたかについて、つぶさに検討したものである。著者自身も述べているように、対象自体はきわめて地味なものであるが、江戸時代において身分が可視化される場面についての考察であり、なかなか興味深い。

 本書を読むと、冒頭に述べた「上座・下座」問題は、私たちのなかに「内なる江戸時代」とでも言うべき心性がいまなお継続していることを示すものではないのか、と思われてくる。そういえば、ハンコ社会というものが始まったのも、江戸時代であった。脱ハンコの機運が高まるいま、「上座・下座」問題からも脱却を図ってみるというのはいかがだろうか。


(『中央公論』2022年11月号より)


【著者】
◆尾脇秀和〔おわきひでかず〕
1983年京都府生まれ。神戸大学経済経営研究所研究員、花園大学・佛教大学非常勤講師。佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は日本近世史。著書に『氏名の誕生』など。


【評者】
八鍬友広〔やくわともひろ〕
1960年山形県生まれ。東北大学大学院教育学研究科博士後期課程満期退学。博士(教育学)。専門は日本教育史。著書に『闘いを記憶する百姓たち』、共編著に『識字と学びの社会史』など。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/ad7da723d3a43772860a035d8da9d06978a24fb5

その他のツール
  • 文字数カウント TikTok ダウンロード Douyin ダウンロード BASE64 Base64→画像 画像→Base64 URLエンコード JavaScript タイムスタンプ ユニコード変換 JSON整形 拡張子変更 リスト作成 CSS最適化 MD5暗号化 ランダムジェネレーター 画像圧縮 QRコードジェネレーター QRコードリーダー 壁紙プレビュー 血液型遺伝 服のサイズ
  • 一力が本因坊初防衛
    2024-05-30

    声優の増山江威子さん死去
    2024-06-03

    ジャスパー・モリソンの名言「…が「普通」のものより役にたつことはない。」【本と名言365】
    2024-06-03

    “20世紀音楽”の発展に貢献した指揮者、クーセヴィツキー。その偉業とは【クラシック今日は何の日?】
    2024-06-03

    稀代のピアニスト、マルタ・アルゲリッチの伝説の始まりはこの1曲から【クラシック今日は何の日?】
    2024-06-04

    福島県沖地震で解体 老舗文具店の新ビルが開店 イベントスペースも
    2024-06-04

    美術評論家連盟が「ガザ戦争に対する意⾒表明」を公開
    2024-06-04

    「CLAMP展」が国立新美術館で7月より開催。展示数は史上最多の約800点
    2024-06-04

    石川九楊の個展「石川九楊大全」が上野の森美術館で2ヶ月連続開催へ
    2024-06-05

    エドガー・サラン個展「EDGAR SARIN ー HUNKY DORY」(VAGUE KOBE)レポート。展示空間の可能性やその調和の在り方を問いかける
    2024-06-04

    横山奈美の個展「広い空に / Big Sky Mind」がN&A Art SITEで開催へ
    2024-06-05

    田名網敬一「TANAAMI!! AKATSUKA!! / 45 rpm」展、集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリーで開催
    2024-06-04

    「KOGEI Art Fair Kanazawa 2024」開催決定
    2024-06-04

    今週末に見たい展覧会ベスト13。「令和6年 新指定国宝・重要文化財」展から国立西洋美術館の現代美術展、KYOTOGRAPHIEまで
    2024-06-04

    性被害者支援の法人設立 スマイル社
    2024-06-04

    大学入学共通テスト、追試は本試験1週間後 コロナ禍前に戻す 月経痛の配慮明記も
    2024-06-05

    「art stage OSAKA 2024」が9月に開催。大阪・関西万博への機運も醸成
    2024-06-05

    「江戸期より後の遺構」 世界遺産目指す佐渡の金山、一部除外勧告
    2024-06-06

    「さどの島銀河芸術祭2024」が開催。新潟・佐渡島各所で作品を制作展示
    2024-06-06

    パートナーとの強い絆から生まれた、ベンジャミン・ブリテンの代表作【クラシック今日は何の日?】
    2024-06-06

    ©  Dopu Box
    💛