• オンラインツール
  • - 計算機
    • 文字数カウント
  • - ダウンロード
    • TikTok ダウンロード
    • Douyin ダウンロード
  • - Webツール
    • BASE64
    • Base64→画像
    • 画像→Base64
    • URLエンコード
    • JavaScript
    • タイムスタンプ
    • ユニコード変換
    • JSON整形
    • 拡張子変更
    • リスト作成
    • CSS最適化
  • - 暗号化ツール
    • MD5暗号化
    • ランダムジェネレーター
  • - 画像ツール
    • 画像圧縮
    • QRコードジェネレーター
    • QRコードリーダー
    • 壁紙プレビュー
    • 画像 EXIF
  • - 情報シート
    • 血液型遺伝
    • 服のサイズ
  • [email protected]
DopuBox
  • English
  • Español
  • Français
  • 日本語
  • 한국어
  • 简体中文
  • 繁體中文
全部 ニュース Meta Code 文化・アート
『六月の蛇』監督・脚本・製作:塚本晋也 評者:吉田伊知郎【気まぐれ映画館】
2023-06-29
『六月の蛇』監督・脚本・製作:塚本晋也 評者:吉田伊知郎【気まぐれ映画館】

 山本周五郎の小説の題名ではないが、最近は映画を観ていると「季節のない街」と感じることが多い。

 いったい、それがいつの季節なのか判然としないのだ。もっとも、現実に目を向ければ日によって寒暖差が激しく、暦通りに衣替えを行うことなど不可能になりつつあるのだが。

 そんな中、「季節のある街」を感じさせる稀有な新作が、阪本順治監督の時代劇『せかいのおきく』。

 糞尿のくみ取りを行う若者たちと、長屋の住人を描き、それぞれの季節に降る雨や雪を情感豊かに映し出している。雨はやがて大地を水に浸し、川を増水させ、厠(かわや)からは汚水が溢れ出る。画面からは空気の湿り気が伝わってくるようだった。

 そうした湿気に満ちた映画といえば、『六月の蛇』(2002)が忘れがたい。『鉄男(てつお)』『野火』で知られる塚本晋也監督が、全編に降りしきる、映画史上屈指の雨の中で描いたサスペンスである。

 りん子(黒沢あすか)は、心の健康センターで電話カウンセラーをしつつ、潔癖症の夫・重彦(神足(こうたり)裕司)と都心の高級マンションで暮らしている。ある日、りん子が自宅で自慰中の盗撮写真が送られてくる。かつてセンターに自殺をほのめかす電話をかけてきた道郎(塚本晋也)の仕業だった。写真のネガを渡すことを条件に過激な要求を突きつけられるが、その後も写真は送られ続け、要求がエスカレートしていく。

 物語をたどれば、数多く作られてきたピンク映画やロマンポルノの後追いに思える。実際、ヒロインが強要に応じて過激な服装や行為をするうちに、自身の秘めたる内面を発見していくという展開だけを捉えれば、そうした思いはいっそう強くなる。

 しかし、これまで塚本映画で描かれてきたテーマが凝縮された形で提示される本作では、見世物的なエロティシズムを超え、都市と自然に人間の肉体が同化していく姿が提示される。

 それを体現する黒沢あすかが素晴らしい。不安定で朧げな彼女が、道郎からの要求に応じるうちに、強大な存在感を発揮していく。雨に打たれながら、力強くコンクリートの大地に立つ姿は感動的ですらある。

 夫を演じた神足裕司という意外な配役にも驚かされることになる。妻の視点から描かれる前半は脇役然として収まっているが、後半は変身を遂げて怪演を見せ、円みをおびた肉体や頭部がオブジェのように映し出される。

 そのふたりを翻弄するストーカーを演じる塚本晋也の痩せ細った身体も含め、三者三様の肉体は、雨に濡れることで異様な迫力を持ち始める。

 無数の針が天から落ちてくるような物量感、痛々しさで描かれる雨は、ブルートーンのモノクロという本作独自の色彩によって生み出され、実質的な主役といえる〈雨〉を突出させる。

 20年前の6月、渋谷のミニシアター、シネ・アミューズで本作を観た日のことは鮮明に覚えている。映画と同じ雨が渋谷の街に降り注ぐのを、いつまでも呆然と見ていた。


(『中央公論』2023年7月号より)


【評者】
◆吉田伊知郎
映画評論家・ライター

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/5606cdfa1417421525fc81a02da2e5cd083afd12

その他のツール
  • 文字数カウント TikTok ダウンロード Douyin ダウンロード BASE64 Base64→画像 画像→Base64 URLエンコード JavaScript タイムスタンプ ユニコード変換 JSON整形 拡張子変更 リスト作成 CSS最適化 MD5暗号化 ランダムジェネレーター 画像圧縮 QRコードジェネレーター QRコードリーダー 壁紙プレビュー 画像 EXIF 血液型遺伝 服のサイズ
  • <司書のコレ絶対読んで>「王さまと九人のきょうだい」君島久子訳、赤羽末吉絵
    2024-05-29

    一力が本因坊初防衛
    2024-05-30

    元アシスタントが語る Dr.スランプ「あのキャラ」の誕生秘話
    2024-06-01

    死後に再評価が進んだ作曲家の筆頭、ビゼー。その裏には友人の存在が【クラシック今日は何の日?】
    2024-06-02

    ニコライ・バーグマンが手がける北欧のジュエリーブランド〈フローラダニカ〉旗艦店が南青山にオープン。
    2024-06-03

    応挙手本?に描いたトラ甦れ…徳島の寺のふすま絵修復へ
    2024-06-04

    写真家たちは強大な権力の抑圧にどう抗ったのか。バルト三国の写真家に焦点を当てる展覧会をレポート
    2024-06-04

    「2億円トイレ」のイメージ図など公開 大阪・関西万博
    2024-06-04

    アレクサンダー・カルダー個展「カルダー:そよぐ、感じる、日本」が開催
    2024-06-04

    「君たちはどう生きるか」展 第二部 レイアウト編(三鷹の森ジブリ美術館)レポート。絵を描くことの営為、そして苦悩も見せる
    2024-06-04

    ペース・ギャラリーが9月にグランドオープン。7月には特別内覧会を開催へ
    2024-06-04

    アートフェア東京、次回は2025年3月に開催決定
    2024-06-04

    太宰府天満宮で「Fukuoka Art Book Fair」が開催へ
    2024-06-04

    今週末に見たい展覧会ベスト12。山武市百年後芸術祭、版画の青春、北斎に三島喜美代まで
    2024-06-04

    東京都写真美術館で「今森光彦 にっぽんの里山」が開催へ
    2024-06-04

    「避難いただけるほうが一安心」珠洲で激しい揺れに耐えた仏像、奈良博で縁つなぐ
    2024-06-04

    105歳で死去した画家弥勒祐徳さん おごらず、黙々と、ひたすらに神楽など描く
    2024-06-05

    佐渡金山、世界遺産登録に向け「追加情報の提出」求められる
    2024-06-06

    今週末に見たい展覧会ベスト8。閉幕の横浜トリエンナーレから、「梅津庸一 クリスタルパレス」、石川九楊の2ヶ月連続個展まで
    2024-06-06

    書評:「普通にラッセンが好き」と言えない現代美術界へ。原田裕規『評伝クリスチャン・ラッセン 日本に愛された画家』
    2024-06-06

    ©  Dopu Box
    💛