六角精児の「この歌が好きなんだ(1)」…小学6年の頃、僕の血をたぎらせた曲

今日からこの場を借りて「俺の一曲」というテーマで、僕が今迄聴いて来た音楽の中から、「これぞ!!」と思うものを紹介していきたいと思います。
とはいっても、当時、家にはステレオもなく、姉と共用の小さなカセットテープレコーダーでビートルズ特集のラジオ番組を録音し、テープが擦り切れるほどに聴くぐらいしか、ビートルズの曲を聴く方法はなかったのですが、どの曲も実にカッコ良く、中でもポールのカウントで始まる「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」は群を抜いてイカしていたのです。
実際、今聴いてもこの曲は素晴らしい。これほどシンプルでクールなロックンロールはそうそうない。
特筆すべきはポールのベースライン。基本に忠実なベースのリフと言われればそれまでですが、あの動きまわるベースの音が、曲の躍動感を一手に引き受けている。まさに「ベーシストとしてのポール」の真骨頂ではないか。
僕が還暦過ぎてもロックンロールが好きなのは、この曲のおかげなのだと思う。
プロフィール
ろっかく・せいじ/1962年生まれ。俳優。1982年、劇団「善人会議」(現・扉座)の旗揚げに参加し、今も舞台、映画、ドラマなどで幅広く活躍している。一方、「六角精児バンド」を結成してミュージシャンとしても活動。今年4月には初のソロアルバム『人は人を救えない』(P-VINE RECORDS)をリリースした。8月5日公開予定の映画『コンビニエンス・ストーリー』では成田凌、前田敦子と三角関係を演じている。