(ブルームバーグ): 米国務省は23日、ウクライナの首都キエフに駐在する米大使館員の家族に対し、同国から退避するよう命じたと発表した。「ロシアの軍事活動の脅威継続」を理由に挙げた。また、ウクライナ国内にいる米国人にも民間などの移動手段を使って、同国から出国を検討するよう勧告。ウクライナ国境付近ではロシアが軍部隊を集結させ、米ならびにその同盟国との緊張が高まっている。国務省は「ロシアがウクライナに対し、大規模な軍事行動を計画しているとの報告がある。ウクライナ国境沿いやロシアが一方的に併合したクリミア半島、親ロシア派武装勢力が支配するウクライナ東部を中心に安全保障環境は予測不能であり、ほぼ予告なく悪化する恐れがある」と説明した。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、バイデン政権が東欧とバルト諸国への部隊派遣を検討していると報道。北大西洋条約機構(NATO)加盟国への軍艦と軍用機の展開も選択肢という。同紙によると、東欧諸国への1000-5000人の部隊派遣が検討されており、必要なら10倍に増やす可能性もある。米国はロシア軍がウクライナ国境を越えて侵攻すれば、強力な制裁を発動すると警告する一方、ロシアおよび欧州の同盟諸国との外交交渉を通じて緊張緩和を目指してきたが、一連の動きはその緊張がむしろエスカレートする状況を浮き彫りにしている。米ロは対話継続へ、ウクライナ懸念は「ヒステリー」とロシア外相国務省はさらにロシアによるウクライナへの軍事的攻勢のリスクがあるとして、米国民にロシアやウクライナへの渡航を見合わせるよう勧告した。原題:U.S. Orders Families of Diplomats to Leave Ukraine (1)、U.S. Says Do Not Travel to Russia or Ukraine on Border Tensions(抜粋)(c)2022 Bloomberg L.P.Tony Czuczka