食べられないプリングルスが20万円! NFTの登場で起こった食革命とは

プリングルスは、2021年3月に新フレーバー「クリプトクリスプ」をNFT作品として発売すると発表。アーティストVasya Kolotushaによるデジタルアート作品で、発売価格は2ドルとプリングルス一缶と同じ価格であったが、50作品限定ということもあり、一時はNFT市場内で一点1,900ドルの価格で取引された。
2022年3月に伊マクドナルドは新商品「トリプルチーズバーガー」の発売を記念し、イタリア人アーティストによるデジタルアート作品のNFTプレゼント企画を発表した。トリプルチーズバーガーをアプリ内で注文した人の中から抽選で300作品が送られるという。
大手ピザチェーンPAPA JOHNSは、ストリートファッション事業のプロモーションとしてオンライン空間“メタバース”内で着用可能なバッグ1万9840 点をNFTとしてプレゼントすると発表した。ピザ宅配バッグからインスパイアされたデザインのNFTアイテムだという。ピザだけでなくファッション事業も手がける同社のブランド戦略としてNFTを活用し、ファッション性の高さをアピールした形だ。
世界中にファンをもつウィスキーブランド、グレンフィディックの製造元William Grant & Sons社は45年物のグレンフィディック15本をボトルデザインのNFT作品とリンクさせ、18,000ドルの価格で発売した。従来価格とあまり変わらない値だが、NFT技術を用いることで偽物の流通を防ぐことができ、所有証明にもなるという。同様のNFT関連商品をウィスキーやワインブランドが続々と発売しており、高値で取引されるウィスキーやワイン専用のNFT市場も活性化しているようだ。
話題づくりから新規顧客の獲得、ブランディングとNFTの活用方法はさまざまだが、珍しいものを所有する喜びがより身近になったように感じる。環境への負荷など課題も出てきているが、NFTの活用によって食の楽しみ方や価値にもこれまでと異なる大きな変化がもたらされるかもしれない。
今後もNFTの活用により、大人の子ども心をくすぐるような試みが登場するのを期待したい。